ザ・ビーチ(2000)

原題：The Beach
監督：ダニー・ボイル
出演：レオナルド・ディカプリオ
　　　　ティルダ・スウィントン
　　　　ロバート・カーライル
　　　　ヴィルジニー・ルドワイヤン
　　　　ギヨーム・カネ

スリルと冒険をもとめてタイに旅行にきた主人公は、秘密の地図を入手する。


予告の記憶もなかったので、夏の浜辺で繰り広げられる若者たちの青春映画とかかと思ってました（笑）
多分、大昔の月９ドラマ「ビーチボーイズ」のイメージなんだと思います。
そのドラマも見たことないのでそういう青春ドラマかどうかもわかってないですが。
ビーチってとこしか合ってねえ。

で、この映画の話なんですが。
バンコクの安宿で知り合った大麻中毒の男から、素晴らしいビーチがあるんだぜ！って手描きの地図をもらいます。その地図を頼りに、知り合ったフランス人のカップルとビーチ探しにいきます。

島についたら大麻がいっぱい植わってて、銃をもったやつらがうろうろしています。
6デイズ7ナイツみたいな感じ？　そうか宝探し映画だな！

って思ったんだけど、あっさりビーチは見つかります（笑）
なんなのこの読めない映画。

ビーチには意外なことに、人が結構います。
大麻の栽培してるタイ人とは別に、自給自足の生活をしている彼らは、人間生活のごちゃごちゃしたのが嫌でここにとどまっているようです。
でもビーチもいいことばかりじゃなくて、歯医者に行きたいから下界に戻りたいって訴えるひとに、ビーチの存在がバレると困るからそれは許可できないって、みんなで押さえつけてペンチで歯を抜いたりしています。
楽しい生活を送るための小さい犠牲の精神で成り立っている村なわけです。

でもある日、ビーチに出たサメに襲われて死に掛けてる仲間に「おまえがそこで苦しんでたら俺らが楽しめないだろ！」ってキレ始めて、仲間を森に捨ててしまったりします。
生活のための小さい犠牲っていうより、快楽主義で他人のことや先のことを考えてない人たちなんですね。

最初はそれに従っていた主人公なんですが、新しく迷い込んだ若者たちが大麻栽培しているやつらに見つかって目の前で殺されたのをきっかけに、いやなことから目を背けて幸せなことだけ見ようとするビーチの生活は何か違うって気づけるようになった。
……という話。

最初は幸せそうに見えてたビーチの生活が、少しずつ違和感とともに、個人のエゴまるだしの醜いものに見えてくる過程が見所です。

あとディカプリオがかわいい。
村の長役のティルダ・スウィントンは、コンスタンティンにも出てた女優さんです。超美人。
（ナルニアにも出てるようですが、ナルニアはみてないので…）
整いすぎているために無表情だとすごく冷酷に見える顔立ちは、この役にぴったりです。
私がよく勝手に言ってる、イギリス人顔の一種だと思います（笑）