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ピアノ・レッスン(1993) [恋愛・セクシュアリティ]

原題:The Piano
監督:ジェーン・カンピオン
出演:ホリー・ハンター
    ハーヴェイ・カイテル
    サム・ニール
    アンナ・パキン





舞台は19世紀。
当時未開の地だったニュージーランドに、10歳くらいの子連れで嫁にいった主人公(ホリーハンター)が、夫となる人の部下であるマオリ族(現地の民族)の男性と恋に落ちる話。

第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作らしいのですが、個人的には正直、なにがそんなに評価されたのか言語化できません。
私は楽器のなかではピアノの音が一番セクシーで好きなんですけど、セクシーという言葉の意味を辞書で見てみると性的魅力とか肉感的とか書いてあるわけです。言語的な感覚としては音に対して肉感もなにもあったもんじゃないと思うのが普通なんだと思いますが、しかしピアノの音に色っぽさを感じる人は一定数いるわけで。
この映画の評価もなんかそういう感じなのかなと私は思いました。

ストーリーとしては、まず母娘が船でニュージーランドに着くんですけど、ピアノは重いんで山里のほうまで運べないからってダンナに置いていかれちゃうんです。主人公はしゃべれない代わりにピアノで気持ちを表現する人だったので、ピアノがないのは耐えられない!と遠い浜辺までピアノを弾きに行きます。それを見かけたマオリの男性がピアノをダンナから買い取って、あんたの嫁さんにピアノ習いたいんだけど、的に言うわけです。
で、私のピアノ返してよ野蛮人!ってなる主人公に、黒鍵の数だけレッスンに来てくれたら返してやるっていう話になります。
しかしそれがさー。
ピアノの音に惹かれたのか、主人公に惹かれた口実にピアノを利用したのかよくわかんない……というか、男性は家で主人公に勝手にピアノ弾かせてるだけで、別にレッスンも何もあったもんじゃないうえに、触ったり脱がせたりそれピアノレッスンじゃねえよ、って感じなのでピアノは口実なんだと思いました。
タイトルなのにいきなりないがしろにされるピアノ……。

しかも主人公の育児放棄っぷりとか、娘がそれに対する鬱憤晴らしも多分あって、義理の父親に実母とマオリ男性が会ってることを密告→義父がキレて実母の指を斧で切断するのを目撃とか、娘が可哀相すぎるんですよね。
娘とじゃれあったりしてて仲良しなシーンはあるんですけど、それも「新しい夫に対しては頑なな妻」っていう演出のひとつみたいな感じで、母娘関係がとても冷たいように見える。
男にかまけて娘放置すんな!って思ってしまうので、あまり美しい恋愛映画というふうには思えませんでした。いや別に娘がいるから恋愛するなってわけじゃないんですけど、やり方ってもんがあるだろうと。
なので身勝手でばかな男女が身勝手にまわり(新しい夫も含めて)を傷つけて自分たちだけ幸せになる映画、という印象のほうが正しい。
しかしデカダンス的な意味合いとしては、まあ「美しい恋愛」の映画なんだろうなと。
最後のほうの船~ラストシーンはすごく物悲しくて幸福な感じで好きです。
でも、だったらあのまま沈んでしまってもよかったのではないかなと思ったりもします。

この映画、もっと昔の(1950年代とかの)作品だと勝手に思い込んでたのですが、意外と新しかったのですね。
このあいだダークネスで見たアンナ・パキンが娘役です。とても小生意気で可愛いです。
X-MENシリーズのローグもやってるので、ちっちゃい頃から同じ顔してるんだなーと(当然ですが)思いながら見てました。

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